看護研究では、特定の医療テーマに合わせて可能な限り多くのデータを収集し、その内容に基づいて分析を進めていきます。特に、アンケート調査を通して集められたデータを分析することは「量的分析」と呼ばれており、深い考察をするうえで非常に効果的です。とはいえ、データの多さに圧倒されないためには、分析方法を効率よく進めるポイントを覚えておくと良いでしょう。1つ目のポイントは「データの数値化」です。これは「コーディング」とも呼ばれるもので、アンケートの内容をすべて数値で表します。例えば、性別の項目に関しては「男性:1」「女性:2」、年齢の項目に関しては「20歳未満:1」「20歳以上40歳未満:2」「40歳以上60歳未満:3」「60歳以上:4」といった具合です。こうしてすべての項目を文字から数字に置き換えることで、分析作業の効率は大きく向上することでしょう。データ化が終わったら表計算ソフトへデータを入力していきます。これにより、グラフの作成なども簡単になるでしょう。看護研究の分析において覚えておくべき2つ目のポイントは「研究テーマに合わせた分析方法の選択」です。分析方法は複数あるので、研究計画書を振り返って目標達成に最も適切と思われる方法をチョイスしましょう。年齢層ごとの傾向を確認したいのであれば「ヒストグラム」を使うのが効果的です。一方、男性や女性、新人とベテランなど、明確に異なる2つのグループを対比させて分析したいなら「t検定」が良いでしょう。こうした点を事前に決めておくことでスムーズな分析ができるはずです。